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ブランド誕生秘話
2000年代に発足した、常滑焼の可能性を探る”盤プロジェクト”がbanの始まりです。この土地の土をはじめとする原料、職人技、風土といった、ここにしかないものをもう一度世に問う試みがスタートします。 窯元、急須職人、作家がそれぞれの技術を持ち寄り、受け継がれてきた伝統を次代に繋げたいという思いによって、約10年の開発を経て、“料理のための器”としてbanは誕生しました。脈々と続く作り手の思いと、海に面しゆっくりとした時間が流れる、おおらかな土地の特質が、器に映り込んでいます。風土をまとったbanは、ただシンプルに土と向き合い、料理が最大限に引き立つよう、余白を大切に、全て手で仕上げています。
常滑の土
banシリーズの土は、急須に使われるものと同じ細かい粒子が特徴です。表面にうっすらとチャラがかかっていますが、一般的に焼き締めと言われる部類に入ります。それゆえ、土の表情がそのまま器に映り込み、うっすらと艶のあるマットな質感や、つい手に触れたくなるなめらかな触り心地が特徴です。
伝統原料”チャラ”
banには様々な色がありますが、そのカラーバリエーションを可能にしたのが “チャラ”と呼ばれている常滑独自の原料です。もとは半世紀ほど前に朱泥急須のために開発された原料でしたが、盤プロジェクトでたくさんの色が開発され、その中から常滑らしさや料理との相性で好評だった現在の色となりました。素焼きにチャラがけすることで、釉薬がうっすらとかかっている状態となり、シミや汚れがつきにくくなります。
貝(牡蠣殻)による装飾
伊勢湾では海苔の養殖が盛んで、海苔の種付けのために牡蠣殻が使われます。種付けの役目を終えた殻を高温で焼いて粉末状にし、素焼きした器の表面にふりかけると、まるで静かに雪が降り積もったかのような繊細で上品な模様が浮かび上がります。また、漁業で使わなくなったものを窯業で新しい価値をつけて活用しており、海とともに歩んできた常滑の歴史を感じていただけます。
職人の手技
盆栽鉢でも栄えた常滑には、たたら作りの高度な技術があります。柔らかい土をシート状にスライスし、サイズ合わせてカット、形状を整え、乾燥させ、歪みのないフラットな形状に仕上げます。各工程のすべてに、培った成形技術が生かされ、アイテムは変わっても他には真似できない職人の手技を見ていただけます。